いけばなとは

花を生かす

いけばなとは日本の伝統芸術のひとつで、花などの植物や、その他の素 材を組み合わせて作ります。植物素 材は自然から恵まれた美しさを湛えています。いけばなはこれらの素 材を人がいけることをいいます。いけばなという言葉は「花を生かす、命を与える」という意味です。花に水をのませるということだけけでなく、最も美しい状態にいかす、という意味があります。

アンバランスによるバランス

ヨーロッパのフラワーアレンジといけばなの大きな違いのひとつは、ヨーロッパのものが花を左右対称にいけることが多いことに対して、 いけばなは、少ない材料で、左右非対称(アンバランス)にいけ、バランスをとることです。また、アレンジの中にぽっかりと空いた空間を作り出すことによって、花や植物の美しさをひきたたせます。これを強調することによって、バランス良く、歯切れの良い作品が生まれます。

四季の行事

日本人は四季の変化を楽しみ、行事に合せた花を飾ります。これは四季の変化がはっきりしている日本独特の文化ともいえます。

いけばなとやきもの

花器などのやきものは、いけばなの重要な基礎となります。

いけばなをいけるときには、花や植物の美しさを見極めることからはじまります。 つまり、材料を既に手にしています。これと対照に、やきものを作るときには無形の粘土から美しい形を作らねばなりません。この造 形過程の違いはとても興味深いものです。

いけばなのレッスン

いけばなは日本の伝統芸術のひとつで、もとは日本家屋に似合う型を擁しています。しかしいけばなは時代と共に変化しており、どのような空間にも似合うものが作れるように教科書で勉強することができます草月流の教科書は4冊あり、1,2が基本花型、3,4が自由花型です。基本花型を練習することで、材料の扱い方、器とのバランスのとり方、間の取り方などを学びます。自由花型には毎回テーマが設けられており、発想の転換が求められます。作り手の個性が充分に発揮されるところです。

即興性

いけばなのレッスンの、特に初期のころは、簡単ではありません。なぜなら、毎回、形も、大きさも、色も違う花材に出会い、それを臨機応変に扱わねばならないからです。そして、たとえ、2回つづけて桜の枝を活けるにしても、決して前回と全く同じ枝ぶりの桜は無いのです。ですから「前回よりも今回のほうが難しい、上手く仕上がらない」ということは珍しくありません。「前回の桜のほうが枝ぶりがよかったのになあ」と思うならば、今、手にしている、よくない枝ぶりのものを、いかによい枝ぶりに変えてあげるか、が腕の見せどころです。 つまらない枝、と思っても、どこかに面白い線があるはずです。こうして花材をみつめるレッスンを続けていくうちに、自然と身につくものが「即興性」です。 花材を前にして、何を見せたいか、何をひきたてたいか、他のどの花材と組み合わせたらよいか、器はどれか、等、様々なポイントをふまえ、即興的にいけることができるようになります。

いけばなの芸術性

いけばなは、植物素材材を使った芸術です。

いけばなは、植物素材が一番美しい瞬間の芸術です。

いけばなは、植物素材が持つ余計な線を切り落として、美しい線を見せる、マイナスの芸術です。

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